専門学校や大学の卒業を控え、これから就活という時期に耳にするようになる「エントリーシート(ES)」。履歴書を書くだけでも大変なのに、更に書類を書かなければいけないと途方に暮れてしまう人もいるのではないでしょうか?履歴書との違いから、エントリーシートを書くポイントなど、企業にもっと自分をアピールできるエントリーシートの書き方を解説します。
就活の際には履歴書の他にエントリーシート(ES)の提出が求められることが出てくるでしょう。同じような項目の記入欄があって悩んでしまいがちですが、2つの書類の役割を理解すると書くことが決まってきます。ここではそれぞれの違いをご紹介します。
あなたがどんなことを学んでどんな活動をしてきたのかという経歴を企業に伝える書類が履歴書です。「志望動機」などの記入欄は狭い為、エントリーシートと項目が被っている場合は簡略した内容で問題ありません。市販されていたり、求人サイトなどで配布されていたりします。住所や学歴・資格の他に趣味や特技といった記入欄があり、履歴書によって項目が異なります。自分自身をアピールしやすいと思う履歴書、もしくは、学校から指定があればそれを使用しましょう。
経歴を記載するのが履歴書なのに対し、エントリーシートはあなたがどんな考えをする人で、今後どのようにその企業で活躍してくれるか、という点を見るための書類です。「自己PR」や「長所や短所」などの項目から会社に合った人物かどうかを見極めています。市販はされておらず、各企業がそれぞれに配布しているものです。入手する方法は、(1)応募後、企業から直接受け取る(2)説明会(3)応募時に入力フォームが設置されている、などがあります。
履歴書とエントリーシートは最終的に二つを照らし合わせて読みます。履歴書では「リーダーシップがある」とアピールしていたのに、エントリーシートでは「一人で黙々と作業をすることが好き」といった一貫性がないことにならないように注意してくださいね。
▽履歴書についてはこちらの記事もご参照ください
前述した通り、エントリーシートは企業ごとで配布しているため、質問項目が異なります。しかし、質問項目が会社によって違うとはいっても、本シートを用いる目的はどの企業でも同じため、以下に関することを聞かれることが多いです。
など
例えば、「好きなブランド」などを聞く理由は「本当に自社のブランドを好きなのか、どんなところが好きなのか」を知るために聞いていると考えられます。質問をよく読み、企業がどんなことを知りたいのか意図を考えながら書きましょう。
書類選考の際に、企業の採用担当者は多い時には何百もの書類に目を通すことになります。そのため、1人分の書類を読む時間はほんの数分です。内容が伝わりにくいものはその場ではじかれてしまうことも…。それでは、次の選考に繋がるエントリーシートとはどのようなものでしょうか?以下の5つのポイントを押さえましょう。
更に「挨拶状が添えてある」「書類を綺麗に折ってある」という細かい点を見ている担当者もいます。アパレルは接客業です。書類一つからでも相手に対する気遣いやマナーなどを読み取っています。くれぐれも修正液だらけだったりシワくちゃだったりする書類は提出しないように注意してくださいね。
良いエントリーシートとは「直接会いたい!」「もっと詳しく話を聞きたい!」と、面接に繋げるような内容になっているものです。そのためには、ダラダラと結論がわからない文章は避けましょう。まずはNG例をご紹介します。
NG例:
私は小学校のころからテニスをしていました。…A
それからも中学・高校でもテニスを続けていました。…B
部内では私のサーブの正確さが認められ、常にレギュラーとして活躍し続けました。…C
NGの理由:
A:質問に対して答えになっていない、結論がわからない
B:事実を並べているだけで「なぜ」テニスを続けているのかがわからない
C:最後まで何が長所で何が言いたいのか伝わらない
これは極端な例でしたが、「長所は?」と聞かれて「私はテニスをやっていました」と噛み合わない答えをしているのと同じです。よほどの理由がない限り、質問に対してまずは「○○です」と答える文章がベターです。
それではNG例を踏まえて、添削した文章のポイントをご紹介します。
長所の添削例:
私の長所は「指摘されたことを素直に受け止めること」です。…①
小学校の頃に始めたテニスでの経験がきっかけです。最初の頃は友達の中で一番下手で、なかなか成績が出せませんでした。その時コーチにいただいた指摘を素直に聞いて、改善できるように試行錯誤をしながら練習をしたことで、誰よりもサーブが正確に打てるようになりました。…②
それから中学・高校でもテニスを続け、先輩に注意されたことを素直に受け止めるようにしていたことで技術が向上し、○○の大会で入賞することができました。…③
人に指摘されたことを素直に受け止め自分で改善策を考えるという経験は、社会人になってもしっかりと活かして貴社に貢献したいです。…④
①結論
②結論の理由
③その理由を裏付ける事柄やあなたの考え方が伝わるエピソード
④まとめ
※①と④で内容が異ならないように気を付けましょう
元々接客が好きで、大学時代では居酒屋のアルバイトを頑張りました。お客様に楽しく過ごしていただくように、元気よく、注文は誰よりも早く伺いに行くように心掛けていました。3ヵ月くらいすると、常連のお客様から「君の接客すごくいいよ」「返事が明るくていいね」と言っていただけるようになりました。1年後にはお客様の声が反映され、店舗のMVPを獲得するまでになりました。
今まで大変だったと思う体験は、学園祭の運営委員会に所属していたときのことです。その当時、そこで行われるイベントの企画のリーダーを務めていました。リーダーだからと張り切り、全ての仕事を自分一人で抱え込んでしまい、途中で精神的に耐えられなくなってしまいました。その時一緒に企画を進めていたメンバーが「私たちをもっと頼っていいんだよ」と言ってくれたことをきっかけに、メンバー一人ひとりに仕事を任せたことで仕事がスムーズに進み、イベントも入場者数○○○人にもなり、近年で一番評判が良かったと言われるものになりました。仲間を信じることも企画や仕事を進める上で大切なことだということをこの経験から学ぶことができました。
以前、貴社の店舗を訪れた時の居心地の良い雰囲気に魅力を感じ、貴社を志望いたしました。私は元々人見知りで、アパレルショップでも人に話しかけられることが苦手でした。しかし、貴社の店舗に入った時、そこのスタッフの方に声をかけていただいたのですが、押しつけがましくなく親身に服を探していただきました。この度、企業研究をしていく中であの時のスタッフの方の対応は貴社の企業理念が根付いたものだったと知り感銘を受けました。入社後は「いつでも訪れやすい店舗」を目指し、愛されるお店作りに携わりたいです。
▽こちらの記事もご参照ください
エントリーシートは書類選考の為だけでなく、面接でも使用される大切な書類です。また、採用担当者は一人ひとりのエントリーシートにじっくりと時間をかけられません。そのため、読みやすくまとめてあり、字がキレイ汚いに関係なく丁寧に書かれているものは担当者にとって嬉しいものです。反対に毎年多くの応募者を見ている担当者にとって、ネットの文章を丸々真似したものや、雑に用意した書類などはすぐにわかってしまうので絶対にNGです。誤字脱字が無いように最後に必ず確認も忘れずに。あなたらしさをアピールできるエントリーシートにしてくださいね!